越前ガニの漁、越前ガニの旨さの秘密、越前ガニの茹で方など旅館経営21年のおやじが語る!
冬 日本海に北西の季節風が吹き出すと、町は蟹漁で活気づく。世に轟く「越前ガニ」ですね。 皆様をこの田舎町に引き寄せて止まない「美味しさ」はまさに味覚の王様。 浜街道沿いに並ぶ魚屋さんの店頭で、その蟹を茹でる特製釜から視界をさえぎる白煙と独特のそそる香りが、 あちこちに立ちのぼる。
ある旅人曰く。「この風情をみると、越前に来た」という思いになるそうで、 「ほっとする」とまで、言います・・・。 気性の激しい越前漁師たちでも、引いてしまう「日本海の大時化」。その合間を縫っての出漁。 まさに、嵐の中の木の葉船の態。命掛けの男の仕事だ! 出漁を堤防から、鉛色の空に向かい手を合わせ祈る、紅椿。 越前ガニが高価なのは、こんな隠れソースも掛かっていることを、知って頂きたい。
越前ガニ漁をする船は、小型の部類に属するものが大半で、漁場に何日も停泊し漁をする事が出来ず、 「日帰り往復」するかたちで、これが反って鮮度のいい越前ガニを、水揚げされることになり、「あの味覚」をもたらすのです。 越前の地名まで付いたブランド蟹と言われる由縁です。 ちなみに、「京都・たいざ蟹」は日本一とおっしゃってまして、 理由はといえば、全く越前ガニ漁とおなじ事情にて、日本一とおっしゃっておりますね。
近年思う事ですが、誤った形の、「越前蟹のうんちく」を 鵜呑みにされている方々が多いように思います。 たとえば、蟹の茹で方ですが、 ○△□のこだわりの塩を使って茹でているから最高とか・・・。
(これって、ブランド塩はここ、数年前からブームになりましたが、 私的には、乱暴ですが、お国が販売している塩で、十分 越前蟹は美味しく茹であがると思います。 10年前・20年前、塩ブームで無い頃は、塩が不味いから、湯で蟹もいまいちだったのか・・。 そんなこと言う人は、越前には一人もいませんよ。 越前蟹は、どう茹でても、美味しく仕上がる!やわな素材ではないよ。 そうは、言っても味を追求する観点からいえば、塩にも、こだわることも大切なことでしょう。 ) 許せないのが、蟹を一尾ずつ御丁寧に茹でるほうが良い。と仰るかたがいて、 そのほうが美味しいと言い切っていらっしゃいますが、否定も、出来ませんが、 蟹は沢山に茹であげたほうが、絶対に美味しいのではと、考えます・・・。 (勿論、大きさ・重さを考慮し仕分けをしないといけませんが・・。) 特製釜で、30〜80尾程を一回で吹きこぼしを、3〜4回繰り返し、差し水をしながら茹で上げる。 これだと思うけど・・。 茹で時間は、蟹によって違い その目利きはとても重要です。 詰る所「素材の良さ」の問題なんですね。 いかに、質が良く・新鮮か。その辺の、勝負なんですよ。
もう一点、とても大事なポイントなんですが、茹であがった蟹に、このときこそ、1尾・1尾ずつ丁寧に 蟹の背中側から、冷水を掛ける。(表面の粗熱を取るため)そして、仰向けに蟹を置き、冷ます。 私は、先達に教わり、25年このやりかたですよっ。 中には、蟹が湯であがったら、 水の中にたっぷりと時間を掛けて、漬け込むようです。 たしかに、蟹は水分を含み重くはなりますけど、私は、しようとは思いません。(本来の旨みと、違ってくるように考えるから) 食べ方だって、茹で蟹を酢も、醤油もつけずに食べましょう。 シンプル オブ ベスト・・・・。茹でたての、熱々。 「旨そう〜!」 インパクト十分。そそりますよねぇ。 けど、ちょっと違う・・・。熱々に騙されている様に思います。 確かに、普段・味わえない味覚で、美味しくて「当たり前」ですが、けど・・・・、 茹でた後、4〜5時間経って、熱が取れた頃が蟹味噌も固まり、 蟹本来の旨み・甘みが味わえるものと信念も持っています。まあ、「熱々派」はそれで良いと思いますが・・・
越前では『せいこ蟹』 ・ 石川では『こうばこ蟹』 ・ 京都・山陰では『こっぺ蟹』などと、所変われば「呼び名」も変わる。 ずわい蟹のメスで 11月の解禁から2ヶ月間しか漁期は無いんですよ。 資源保護の為(オスは 約5ヶ月) 甲羅の大きさも小学生低学年の「握り拳」ぐらいでしょうか・・ 「かわゆいぃ〜」 お腹の外側には小さな卵を沢山抱えていて(外子)これが、産卵「ずわい蟹」へと成長。 お腹のなかにも、濃厚な卵の素のようなものを宿し(内子)これと蟹味噌とが相まって・・・。 まあ〜、この内子・外子を食べるわけですが(足は食べるのは 大変です。小さくて。) ほんとに、美味!!この言葉に尽きるネッ! 最近 マスコミや ネットショップなんかで取り上げられたりで、 認知されだしましたが・・・。私の子供の頃は冗談ぬきに 「おやつ感覚」でしたが、近年は、一匹4000円程の値が 付くこともあるんですよ。 せいこ蟹の好きな方、多いんですよぉ。 おやじも、超大好き!ずわい蟹には、ない味わいがあるからのお〜。 我、愚息なんかも、目がなく、与えれば食べまくり。しかも、味噌・子のみ食べ、 足の肉は、捨てている・・・・。気持ちはわかるが、もったいないのおぉ〜。 海月でも、せいこ蟹を御客様にお出しするのですが、 姿のままお出しすると(食べ方が判らないのか・・・) 細い・ちっちゃい足肉だけ食べてあり、肝心のお腹の部分は、 そのまま、ダルマさん状態で食べ残されてあることがたまにあります。 こういう状態をみると、おやじの心は、複雑・・ちょっぴり悲しくなりますね。 よくよく伺えば、うまくさばいて食べれない・面倒くさい・・・。と、のたまわれる・・・。 そこで、極力きれいにさばいてお出しするようにしています。反応は勿論・・GOOD!